東京高等裁判所 昭和53年(行コ)84号 判決 1980年7月15日
控訴人(原告) 永田洋子
被控訴人(被告) 東京拘置所長 国
主文
本件各控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
控訴人(原審原告)は
1 原判決を取消す。
2 被控訴人東京拘置所長が昭和五一年六月二九日控訴人に差入れられた小野清一郎=朝倉京一共著「改訂監獄法」(有斐閣発行)のうち、原判決別紙目録記載部分を抹消した処分を取消す。
3 被控訴人国は控訴人に対し、金六〇万円及び内金五〇万円については昭和五一年六月二九日から、内金一〇万円については同年九月一九日から支払済まで、年五分の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。
との判決と、3について仮執行の宣言を求めた。
被控訴人ら(原審被告ら)は主文第一項と同旨の判決を求めた。
当事者双方の事実上、法律上の陳述は、すべて原判決事実摘示のとおりであるから、判決書事実第二の記載をここに引用する。
双方の証拠の提出、援用、認否は、控訴人が当審において甲第四号証の一ないし七及び甲第五号証の一、二を提出し、被控訴人らがその成立を認めたほか、原判決証拠摘示のとおりであるから、判決書事実第三の記載をここに引用する。
理由
当裁判所も控訴人の被控訴人東京拘置所長に対する訴は不適法であり、被控訴人国に対する請求は理由がないと判断するが、その判断理由は原判決の説示する理由と同一であるから、原判決書理由一及び二の記載(但し一九枚目表末行「末決」を「未決」と訂正する。)をここに引用する。
従つて、控訴人の被控訴人東京拘置所長に対する訴を却下し、被控訴人国に対する請求を棄却した原判決は相当で、本件控訴は理由がない。よつて控訴をいずれも棄却することとし、控訴費用の負担について民事訴訟法九五条、八九条を適用し、主文のように判決する。
(裁判官 吉岡進 吉江清景 手代木進)